消したい、どうしたらいい? シミ治療の基礎知識

点在する薄いシミに最適なフォトフェイシャルM22

とにかく気分を憂鬱にしてくれる、褐色の存在感を放つシミ……。化粧品では反応しないと感じたら、美容医療を検討するのも手。微妙に影が残ったり、一度取ったのに同じ場所にまたできたという人も、まだまだ可能性はあります。シミ対策美容医療の最新事情をお伝えします。

 

1.シミの種類を知っておく

シミ治療は、シミの種類で対策が変わります。気になるシミがどのタイプなのか、アタリをつけておきましょう。

1.老人性色素斑 (日光性色素斑)

こめかみや目尻の下など顔の外側に現れることが多く、肩や胸元など体にできることもあります。大きさは数ミリから50ミリほどのサイズになることも。形は丸く、早い人では20代から発生します。老化と、紫外線を浴びることが原因です。最初は薄くぼやけていますが、年数が経つほどに濃く、輪郭がはっきりしてきます。基本的に平らですが隆起してくることも。大人世代を憂鬱にさせる代表的なシミです。

2.肝斑

頬や目尻に左右対称に現れるシミで、色は濃淡、さまざまです。妊娠中やピルを服用していると濃くなりやすいなど、女性ホルモンの影響が大きいといわれています。30代や40代に多く、閉経に伴い、薄くなったり消えたりと気にならなくなることがほとんどとされています。

3.炎症性色素沈着

ニキビや傷などの跡が、シミのように色素沈着を起こしたものです。長くても3年程度で目立たなくなることが多いようです。

4.後天性真皮メラノサイトーシス(遅発性太田母斑)

肝斑やソバカスと似ていますが、思春期以降に現れる真皮にメラニンが滞留したあざで、表皮にメラニンが居座るシミとは異なります。頬骨と下瞼の部分に生じることが多く、灰色、灰褐色、微妙に青みがかった褐色など、1,2,3のシミにはない色が見られることも特徴です。

2.失敗したくないから…

後悔しないクリニック選びのポイント

 

できてしまったシミの存在感を明らかに速攻で消すためには、美容医療に頼るしかありません。「昔取ったけど再発したから、やっても無駄。もう嫌」という話を聞きますが、美容医療は日々進化しています。最新のシミの美容医療を知ってから、今後の方針を決めることをおすすめします。

シミ取り治療は、照射系の機器でメラニンを壊す治療です。壊したメラニンは、古い角質やかさぶたとともに自然に排出されていきます。美容皮膚科や形成外科、街の普通の皮膚科でもシミの治療は行っていますが、結果はどこでも同じになるというわけではありません。後悔しないクリニック選びの、ポイントをお知らせしましょう。

1.症状に合った治療を可能にする、機器を各種取り揃えている

例えば、取り去りたい老人性色素斑の下に別の老人性色素斑が、また肝斑や後天性真皮メラノサイトーシスが隠れているかもしれません。

「レーザーミュージーアム」を自認する「クロスクリニック銀座」の場合、シミ治療に使用する機器だけで、「ピコウェイ(ピコ秒レーザー)」「ルビーZ1(Qスイッチルビーレーザー)」「アコレード(Qスイッチアレキサンドライトレーザー)」「レブライト(QスイッチYAGレーザー)」「トライビームプレミアム(QスイッチYAGレーザー)」「コア(CO2レーザー)」「BBL(光治療器)」「フォトシルクプレミアム(光治療器)」「フォトRF・オーロラ(光治療器)」「ライムライト(光治療器)」を取り揃えています。これだけ揃っていないと十分な治療ができないというわけではありませんが、同じ老人性色素斑でも濃さや大きさや過去の治療歴などに応じて機器の特長を生かした治療を行えば、治療の完成度は上がり、再発の可能性が低くなることが期待できます。

2.再発したシミ、消えなかったシミには「ピコレーザー」を

現在、機器によるシミ治療に積極的に取り組んでいる先生方に注目されているのは、「ピコウェイ」を始めとする「ピコレーザー」です。従来のナノ秒ではなくピコ秒という1000億分の1秒で照射できるため、健康な皮膚はそのまま、シミの原因であるメラニンだけをピンポイントで狙えます。そのため従来の機器よりも、確実に、より早く、より再発リスクを減らす治療が可能というのが理由です。

従来の「ナノレーザー(Qスイッチルビーレーザー)」で治療した部位の経過が芳しくない場合、「ピコレーザー(メーカーにより名前や仕様は異なる)」という新たな手段を用いることで、改善する可能性があります。再発したり、「ナノレーザー」で消えなかったシミの治療をするのであれば、「ピコレーザー」を持っているクリニックに相談するのはマストと心得て。クリニックのHPには、使用している治療機器が紹介されていることがほとんどなので、必ずチェックしてから予約するようにしましょう。

とはいえ初めてのシミ治療の場合、治療の結果を見たときに、「ナノレーザー」が「ピコレーザー」よりも明らかに劣るのかといえば、必ずしもそうとは限りません。「ナノレーザー」でこれまでに何の問題もないから、新しい機器の導入をしないという場合もあります。道具は使う人次第です。

3.シミ治療を希望する患者が多く来院する

もちろんそのシミがどんなシミなのか、正確な診たてができることは必須です。加えて、いくら優れた機器を持っていても、使いこなせなければ意味がありません。「ピコレーザー」があっても導入したての場合、避けたほうが無難でしょう。

  • シミの照射系治療の達人といわれる先生の例

クロスクリニック銀座 石川浩一先生 0120-512-590

東京女子医科大学大学病院成人医学センター 根岸圭先生 03-3499-3170

銀座ケイスキンクリニック 慶田朋子先生 0120-282-764

 

3.点在する薄いシミ、くすみにも。

濃いシミ「予防」のための美容医療

老人性色素斑といっても、輪郭がはっきりした濃く目立つものもあれば、薄い斑点が点在している場合など、さまざまなタイプがあります。大人世代になれば、一人の人が、複数のシミをもっているものです。シミの悩みを相談すると提案される可能性がある、主な治療を紹介します。一度で期待した効果が得られることはまずなく、定期的に複数回の治療が必要となる場合がほとんどです。

  • ケミカルピーリング

メラニン含む古い角質を、薬剤を用いて速やかに排出させる治療です。肌色が明るくなり、美白成分などの浸透が高まるエステ感覚の治療です。

  • 無針メソセラピー^

シミの改善に効果的な成長因子やビタミンなどの薬剤を、電気パルスを用いて導入します。シミの原因となるダメージを修復し、シミのできにくい肌に導きます。

  • レーザートーニング

肝斑に効くということで紹介されていますが、悪化した症例も少なくない数が報告されているようです。この治療法に限らず他の治療でも同じですが、どう照射するかがすごく大事なので、信頼できる先生にお願いするようにしましょう。

  • フォトフェイシャル

シミ、そばかす、ニキビ、毛穴の開きなど、シミだけでなく美肌効果にも優れた光治療器です。比較的濃いめのシミが広い面積に点在するような人に向きます。1月に1回、あるいは隔月でなど、シミや老化の予防をかねて、定期的な照射を長年続けるファンも多い治療法です。

  • ライムライト

白人よりもメラニン量が多い日本人向けに開発された、光治療器です。広い部分に薄いシミが点在するメラニン対策にに加え、キメやくすみを改善するなど肌全体のクオリティを高める変化が期待できます。

  • 内服薬

シミ治療の定番ともいえる「トラネキサム酸(トランサミン)」「ビタミンC(シナール」、クリニックにより「ビタミンE」「ハイチオール」が処方されることが多いようです。また紫外線により生じた活性酸素を無害化するサプリメントの大定番、「ヘリオケア」は多くのクリニックで扱われています。シミがある部位は、微弱炎症を起こしていることが常なので、指示通りにきちんと服用するようにしましょう。

4.シミ治療の料金は大きさと数、

使う機器などで全く違う

シミの治療計画は、その人のためだけの全くのオーダーメイドです。HPに老人性色素斑の濃いシミの治療料金の目安が載っていたりしますが、治療しても、1度で消えるとは限りません。治療を希望する濃いシミの下や上に、別のシミがある場合があります。シミの種類で適応する機器が違うし、重なっている場合は、上からひとつずつ対応する場合もあります。そうなると、予算も変わってくるでしょう。

「ピコレーザー」ではなく、濃いシミの治療で最も一般的な「Qスイッチルビーレーザー」で治療する場合、東京中心部では10mm四方で10000円からが目安です。

*取りたい、でもレーザーは怖いという人へ

レーザーは怖い。とりあえ薄くしたい、という人もいるでしょう。その場合は、「皮膚科系」のクリニックがおすすめです。

一般的に美容医療のクリニックといわれているものには、ふたつのタイプがあります。基本的に保険外の治療しか行わない「形成外科」系のクリニックと(稀に、内容により保険が使えるクリニックもあります)、症例により健康保険を使えることもある「皮膚科」系のクリニックです。レーザー治療をするか迷っているなら、形成外科系ではなく、皮膚科系のクリニックへ行きましょう。例えば「青山ヒフ科クリニック」(03-3499-1214)では、ハイドロキノン(10g 1000円)などのメラニンに効く塗り薬や、シミに効果的な内服薬、オリジナルの外用剤、メディカルエステなど、怖くない治療法も積極的に紹介していただけます。もちろん、レーザーでの治療も可能。こちらの亀山先生は、シミのレーザー治療も達人です。

*クリニックでの治療費には、別途、初診料、再診料などがかかります。

*治療の達人は、他にもたくさんいらっしゃいます。私や近い知人がかつて取材などでご縁があり、お仕事っぷり(クリニックの対応や先生のお人柄、治療の結果)を知っている先生のみを紹介させていただいています。

*すべての情報は、2018年9月現在のものです。

*このページの内容は、「ハルメクWEB」 に寄稿した文章を加筆修正したものです

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