ほうれい線は、医療用語では鼻唇溝(びしんこう)といいます。鼻と唇近くの溝です。
額や目尻にできる線は、表情筋が折れ曲がったまま定着した「シワ」ですが、ほうれい線は筋肉と筋肉の境いめにできる「溝」です。ほうれい線ができるのは、口をぐるりと囲む口輪筋と、頬を支える大頬骨筋・小頬骨筋・頬筋らのつなぎめのような部位です。頬がたるんで落ちてくると、大頬骨筋・小頬骨筋・頬筋の終点ともいえる口輪筋のラインに沿って溝ができます。これがほうれい線の正体です。
もって生まれた鼻の骨格や頬の筋肉の強弱の影響もありますが、大人世代のほうれい線が目立ってくるのは、たるみが原因です。たるみ度合が大きくなるほど、ほうれい線は長く深くなります。
ほうれい線を目立たなくする美容医療
ほうれい線はたるみにより目立ってくるので、ほうれい線対策の治療は、たるみ対策です。
サーマクールなどのラジオ派やウルセラなどの超音波を照射すると、たるんだ頬が引きあがるので、ほうれい線が薄くなることが期待できます。
照射系で思った効果が得られなかったり、速攻での変化を求める場合は、ヒアルロン酸などを注入する治療で明らかに目立たなくすることが可能です。深さ、長さ、目指す変化の度合いにより必要な量と費用が違ってくること、また薬剤の量や注入する場所、深さなどの違いで違和感のある印象になることがあるため、信頼できる先生にお願いするようにしましょう。
また注入は、 自己血液を利用するPRP皮膚再生療法のほか、脂肪細胞や幹細胞などを注入する再生医療がという選択肢も。クリニックにより注入する成分が微妙に違ったり、入れる量や場所で仕上がりももちも違ってきます。実績のある先生にお願いするようにしましょう。
たるみが度合いが大きいのに、注入だけで溝を埋めると、違和感のある仕上がりになる可能性が高くなります。特殊な糸を皮下に通し、たるんだ頬を物理的に引き上げるスレッドリフトを併用すると自然に仕上がるといわれています。スレッドリフトは、極めて小さな穴をもみ上げ近くに数か所開けるだけなので、傷跡が残らずダウンタイムも短かく試しやすいこと、また同時にマリオネットラインも目立たなくできることが魅力です。しかし引張りが弱いと効果が感じられず、引っ張りすぎるといつまでも違和感が残ることになるので、技術力のある先生にお願いするようにしましょう。
また金の糸をすすめられる場合がありますが、脳や頚椎などに問題を抱えた際にMRI画像診断が受けられなくなったり、CTやレントゲンでの診断の邪魔になる可能性があるので、顔部分への金属の埋め込みはすすめません。
それでも満足がいかない場合は、余った皮膚や筋膜を切って縮めるような本格的な外科的治療を行うことになります。